2015年11月20日配本で、
『もう、「あの人」のことで悩むのはやめる』(玉川真里 著)
という本を刊行いたしました。

もう、「あの人」のことで悩むのはやめる
玉川真里
サンマーク出版
2015-11-24



本日はこちらの本の裏側について紹介します。

おかげさまで、配本後全国的に売れが出ておりまして、
刊行一週間で重版が決まりました。
これからも、もっと伸ばしていけるよう、
頑張りたいと思います。


今回の本での一番のポイントは、「テーマ設定」にあります。
テーマ設定とはいわゆる本の切り口です。

この本のメッセージの大きな柱としてあるのは、

「他者思考をやめて自分思考になれば悩みは解消する」

というものです。


しかし、これはほかの本にもよく書いてあることで、
まったく新しいメッセージにはなりません。

なので、玉川さん独自の切り口でこのメッセージを語ることで、
オリジナリティと説得力を持たせる工夫が必要でした。
書籍はすべて何らかの切り口を持って作られていますが、
その切り口を設定する時、編集者が難しいと思うケースが二つあります。


①類書の多いジャンル
②無名の著者


この二つです。


①「類書の多いジャンル」
類書の多いジャンルほどすでにさまざまな切り口の本が出版されていますから、
差異化を考えるときには、よりはっきりとしたものが必要になってきます。

また過去にほかの人がすでにその切り口を用いている可能性があります。

「話し方」「ダイエット」「レシピ」「子育て」などは
類書が多い分野の代表格ですが、ダイエットはいろいろと出し尽くされて
ついに「寝るだけダイエット」なるものが出るまでになりました。
子育てについていえば、もはや「何歳児」の子育てなのかを明確にしないと、
勝負できないくらいに細分化されています。

今回の本についても例外ではなく、「悩み解消本」は既にたくさん存在していて、
「他者思考→自分思考」というだけでは取り立てて新しいメッセージではなく、
目新しく引き付けるものがない、ということが難点でした。


②「無名の著者」
今回の本は著者のデビュー作です。そして著者はものすごく知名度があるとか、
たくさんメディアに出ている人というわけではありませんでした。
つまり、失礼ですが無名の新人著者でした。

無名の著者は誰もその人のことを知りません。
どんなキャラクターの著者なのか、
どんなことを専門にしていてほかの著者と何が違うのか、
一般の読者は著者について何も知らないし、判断する材料がないのです。

前著がある著者ならば、一冊目を見ればなんとなく推察することができます。
すでに雑誌などメディアで取り上げられている著者であれば、
たとえば、「誰でも幸せになれる成功習慣」というテーマで本を作っても、
なんとなく読者はイメージできるわけです。

「誰でも幸せになれる成功習慣」(マツコ・デラックス著)
という本があったら、なんとなく切り口や雰囲気が想像がつきますよね。


しかし、無名の新人著者がいきなり
「誰でも幸せになれる成功習慣」というテーマの本を出したところで、
どんな内容かはまったくイメージできません。
だから、最初の本であればあるほど、
具体的なテーマ(切り口)でメッセージを発信し、
読者のためになる情報を提供しなければいけないのです。


このように、本を出す条件によって、
「切り口」の具体性をいかに設定するのかというのは変わってきます。
ここを見落としてただ著者が言いたいことを切り口にしても、
読者にとってわかりやすいものや伝わりやすいものになっているとは限りません。


今回の著者の玉川真里さんは、
①と②に両方あてはまる著者さんでした。

そんな玉川さんとの本づくりは、印象深いものでした。


2回目に続きます。

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(悩みをテーマにした本は星の数…)