先週、某出版コンサルティング会社さんが主催する
出版オーディションに参加してきました。

数年前からオーディションに参加させていただき、
二年ほど前から私が出版スクールの1コマ(授業)を
担当させていただいております。

ちなみに担当している授業のテーマは

「編集者が著者に求めるもの」

というリクエストを頂戴しているので、
そのテーマで毎回90分ほど話をさせていただいています。
この内容も、せっかくなので、
少しずつこちらでも発信していきたいと思います。

今回の出版オーディションは
13期になる生徒さん8名によるプレゼンでした。

それに対して集まった編集者は計12人。
加えてフリーでお仕事をされているライターさんなどが数名いらっしゃり、
生徒さんたちはその前でプレゼンをすることになります。

主催されている会社の代表の方がビジネス書の著者ということもあるでしょうが、
参加しているのはビジネス関連の刊行物を出されている出版社・新聞社が多く、
その分野のプロフェッショナルが集まっています。

これまで数多くの出版オーディションに参加していますが、
この緊張感は何度体験しても気持ちがいいものです。

「気持ちがいい」という表現は、
少々誤解を招くおそれがあるのですが、
皆さんが志を持って、出版に対し真剣に取り組んでいる場に居合わせると、
正直な実感として、そのように感じるのです。

出版オーディション半日がかりの長丁場になるので、
もちろん、編集者も気楽に臨んでいるわけではありません。
生徒さんたちの一挙手一投足を見逃さず、
必要なことは企画書にメモし、
プレゼンが終わったら、各生徒さんにフィードバックのコメントを残します。

プレゼンをしてくださったせめてもの敬意を払って、
私は毎回、編集者で一番書いたと自信を持てるくらいには、
コメントを残すことにしています。


というのも・・・


極端なことをいえば、
私たち編集者(審査員)のコメントひとつ、判断ひとつで、
生徒さんたちのその後の方向性が決まってしまう。


もっといえば・・・


私たちのコメントひとつ、判断ひとつで、
生徒さんたちのその後の人生を左右してしまうのです。

そう考えると、自然とこちらも真剣になります。


出版オーディションでは
私たちが生徒をジャッジするばかりではありません。

もし著者としてすばらしい資質を持った方がいれば、
当然、私だけではなく、
ほかの編集者も「出版しましょう!」と手を挙げます。

そうすると、一転して私たち編集者が、
その生徒さんにアピールをするターンへと変化します。
つまり、
「私と一緒に本をつくりましょう!」とアピールするのです。


もし著者候補の方が無名だった場合、編集者なら誰でも、
「手掛けるならデビュー作である一冊目の本を手掛けたい」と思います。

だから、自分が考える企画や、
著者との相性、熱意などを伝えて、
本づくりをする編集者として選んでもらう必要があるのです。

幸いにも私はこれまで、
オファーした方には100%選んでいただいています。
本当にありがたいことです。

その結果として、
「本づくりの裏側」でも紹介した
玉川真里さんの『もう、「あの人」のことで悩むのはやめる』を
刊行することができました。
 
出版オーディションがおわり、
各社が興味のある生徒さんに手を挙げ終わりました。

ほとんど手が挙がらない方もいれば、
10社ほどから手が挙がった方もいます。
これからは生徒さんたちが出版社を回って、
各編集者と打ち合わせをしていきます。

この先、果たして出版できる生徒さんは生まれるのか?
それがベストセラーになることはあるのか?

編集者としても、
ひとりの読者としても、楽しみです。


私の目標でもありますが、
ただただビジネスとして本を出す著者ではなく、
本気で読者のことを考えて本を出す「いい著者」が、
どんどん育っていけばいいなと思いますし、
その一環として、私も講師をさせていただいております。

いい著者さんが増えれば、
この出版業界、もっともっとよくなると思います。
今回の出版オーディションでも、
そんなことを思うのでした。
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