ひと昔前に比べて、
書店の在り方はずいぶん変わりました。

とくに、大きく変化したのは
「町の書店」ではないでしょうか。

敷地面積の大きい、
いわるゆチェーンの大型書店が増え、
その影響を受けて、
個人で経営する古き良き書店が
どんどん閉店に追い込まれています。

実際、書店調査会社アルメディアが発表しているデータでも、
1999年には22,296店舗あった書店が
2014年には13,943店舗に減少したとされ、 
いかに書店が減っているかがわかります。
(詳しくはこちらにわかりやすいグラフがあるのでご参照ください)


この、減少している書店の大半が、
地域の書店さんなわけです。

これは都市圏でも、決して関係のない話ではありません。
私の住む東京でも、個人経営の書店は10年前はまだ見かけましたが、
やはり減っている印象があります。

ただ、必ずしも減っているだけではないのが
唯一の救いと言えるでしょう。

形態はさまざまですが、
これまでの「地域の書店」とは異なった形で
チャレンジして新たにオープンする書店さんも増えてきました。

たとえば、三浦崇典さんが始められた
天狼院書店などはその代表例といえます。

本を売るだけではなく、
ドリンクを飲みながらくつろぐことができたり、
出版社と企画をしたり、セミナーを書店で行ったり、
さらには自分たちで企画したものをSNSでバンバン情報発信して、
見ているだけで楽しい書店です。
(もちろん、実際に行ってもとても楽しい書店さんです!)


他にも出版社と直取引をすることによって、
店主の好みを色濃く反映した書店なども、
表れてきています。
(これらは単純に最近新しい試みの書店が出現している、
という話ではなく、日本の出版業界が抱える、
取次というシステムと大きくかかわる話でもあるので、
そういった新しい書店についてはまた今度、
改めて書きたいと思います。)


このようにして、
新しく個人の書店が出始めているわけですが、
元出版社の人が書店を立ち上げる、
というケースも出てきました。
 
私の同期であり、
友人の一人でもある小張隆さんが新しく開いた
「ひるねこBOOKS」さんもその一つです。
ひるねこBOOKS①
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「ひるねこBOOKS」
2016年1月オープン。古書をメインに新刊も扱っております。
猫の本や暮らしの本、絵本、アート本などの他、
北欧に関する本や雑貨などを取り揃えています。
地下鉄根津駅より徒歩約6分。
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「facebookページ」で情報を発信されていますので、
気になる方はこちらを「いいね!」すると情報を得られます。


谷中の閑静な住宅街にあり、
カフェやこじんまりとした美術展などを行うギャラリーの立ち並ぶ、
とても素敵な場所にあります。


店内に並ぶ書籍は児童書はもちろん、
店主・小張さんのこだわりでもある建築関係やアート本、
そして店名にもなっている「猫の本」、
さらには掘り出しものの古書など、
厳選された書籍が並べられています。

ひるねこBOOKS➁

ひるねこBOOKS③

ひるねこBOOKS④

オープンしたときに私も足を運びましたが、
とても居心地のいい空間に、
意外と重厚な本もたくさん並んでいて
(私はそちらのほうが好みだったので、そこに反応しました!)
ついついたくさん買ってしまいました。


昨年まで童心社でご活躍されていただけあり、
児童書をはじめ、柔らかい書籍はもちろんのこと、
そこに小張氏のこだわりが反映されている、
個性的で何度でも訪れたくなる書店です。

店主のこだわりはそれだけではありません。
北欧雑貨もかわいいものが並べられていて、
木製のスプーンを購入。
おうちでしっかり稼働しております。


こういった店主のこだわりが反映された書店が
新しくできているのは、
本好きとしても、編集者としても、
本当にすてきなことだと思います。
また、大型書店が立ち並ぶ昨今において、
とてもうれしいことでもあります。


かつて、日本にはそんな書店がたくさんあったはずですが、
いつしか書店は大型チェーンが増え、
そこに並ぶ本は、ランキングに頼った本ばかり。


そんな書店が増えた結果、

「どこに行っても同じ本が置いてある」

と言われるようになりました。
 
紀伊国屋書店で展開されている書店が、
同じように、町の書店でも展開されているのです。


そうなると私たち出版社がつくる本づくりにも、
多少なり影響を与えてきます。


以前までは小さい書店がピックアップしてくれたような書籍が、
なかなかピックアップされなくなってきたからです。


書店のよさは

「ふらっと行って、思いがけない本に出合う」

ということにあります。


そんな、「書店にしかない楽しみ」を感じられる書店が、
どんどん増えていくといいなと思います。


そんな楽しみを味わいたい人は、
よかったら「ひるねこBOOKS」に足を運んでみてください!

谷根千の街並みにあるので、
甘味処やカフェなんかも充実していて、
一日、楽しむことができますよ!



※追記(2016年5月26日)
雑貨の仕入れは奥様がやっていると書いておりましたが、
違うというご指摘をいただきましたので、修正いたしました。
ご指摘ありがとうございました。