編集者が書籍を作るとき、
早くて半年、長ければ1〜2年かかることも
よくあります。

そんななか、3年もの時間をかけて完成した本が、
ついに発売となりました。

『「脳が不快なこと」をやめれば健康になる』
(石川陽二郎、サンマーク出版)




という健康本です。
私が過去に担当した本のなかで、
一番時間をかけた作品だと思います。

著者の石川さんは2015年にサンマーク出版で開催した
「本気で著者になる出版ゼミ」にて、
最年少参加者ながらグランプリを獲得されました。

最先端がん治療である「陽子線治療」のスペシャリストであり、
創業80年以上になる地元密着の診療所で
地域の方々の健康指導をしている人気医師でもあるという、
お医者さんとしては珍しい肩書きをお持ちです。

実際に、
東北大学病院、南東北がん陽子線治療センター、地元診療所と、
3箇所で医師として携わっていらっしゃいます。

石川さんの詳しいプロフィールを知りたい方はこちらを。

医学博士、放射線治療専門医。東北大学病院助教。南東北がん陽子線治療センター非常勤医師。東日本医療専門学校非常勤講師。
福島県生まれ。久留米大学医学部卒業後、東北大学大学院で肺がんの陽子線治療について研究を行い「がんプロフェッショナル養成プラン」を修了、博士号取得。2014年、東北大学病院助教となり、外来医長を務めた。最先端のがん治療といわれる「陽子線治療」を専門として、民間病院として世界で初めて陽子線治療後専用の装置を導入し、年間最多の症例数を誇る南東北がん陽子線治療センターで2012年より治療を行っている。1回の治療費約300万円にもかかわらず、北海道から沖縄まで、全国から最後の「頼みの綱」として患者が絶えず訪れる。その一人ひとりに向き合いながら、これまで1000人以上のがん患者の治療や生活指導を行ってきた。
一方、創業80年になる地元密着の診療所でも医師として勤務し、地域の人々の風邪・体調不良から健康相談までを診療。最先端医療と地域医療を同時に務める日本でも極めて稀有な医師として活躍する。
両方の現場を体験するなか、「がんになっても健康な人」がいる一方で「病気ではないのにがん患者よりも不健康な人」に数多く出会い、「健康の条件とは何か?」と疑問を抱く。その答えを追求しつづける過程で、「不安による扁桃体の不調」が免疫力低下など健康に大きな影響を与えていることに着目。不安が身体に与える影響は精神的なものではなく、医学的・生物学的に正しいことを突き止める。現在は、扁桃体を活用した健康法を教えるなど活躍の幅を広げている。


本書の内容としては、いま最も注目を集める
「扁桃体(へんとうたい)」という脳の部位に着目した
健康本となっています。

扁桃体という言葉、
聞きなれない方もきっと多いのではないかと思いますので、
説明させていただきましょう。

私たちはふだん、何によって健康を保っているかというと、
「免疫力」によって健康を保っています。
この免疫力が低下すると、体調不良や病気にになります。

たとえば徹夜で仕事をしたあとに風邪を引きやすいのは、
免疫力が低下して、普段なら大丈夫なことでも、
身体が弱って対抗できなくなっているからです。

免疫力を高く保つのは健康にとって最も大きな課題のひとつですが、
じつはこの免疫力、
扁桃体によって左右されていることが、
最新の研究で明らかになったのです。


「不安」などの「不快な刺激」を脳に受けると扁桃体が乱されるのですが、
扁桃体が乱れると自律神経が乱れてしまい、
免疫力は低下してしまうというメカニズムです。

ということは、私たちはふだんから、
「扁桃体が乱れない生活」を心がけてさえいれば、
「不快な刺激」にも強くなるし、
そもそも「不快な刺激」を感じることもなく、
いつまでも健康な身体でいられるということでもあります。

石川さんはがん患者という、
命がけの患者と毎日のように向き合っているなかで、
「がん」そのものが生み出す苦しみより、
「がんへの不安」が生み出す苦しみのほうが
はるかに大きく、不健康をもたらしていることに気づいたといいます。

(実際に、根拠となるデータも存在しています)

そしてそれは、
地元密着の診療所で健康相談を受ける
ご年配の方々に対してもまったく同じように当てはまるらしく、
いつも健康な人と、いつも不健康な人の差は、
「不安や恐れ」を日頃から抱いて扁桃体を乱しているかどうかで、
決まっていたのです。

石川さんは本書を通して、

「がんだけど健康な人」がいる一方で、
「病気は何もないのに不健康な人」がたくさんいる。


と指摘されているくらい、
「病気そのもの」よりも「不安」などの
「不快な刺激」がもたらす影響のほうが健康を左右しているということです。

「病は気から」とは昔ながらの言葉ですが、
この言葉は今までは「精神的」な話として、
医師も含めて扱っていました。

しかし「扁桃体」という視点からみると、
医学的にも生物学的にも正しかったということが、
ついに証明されたということです。


これは画期的なことで、
それを本書を通して提唱できたことは大変意義深いことと思います。

ちなみに扁桃体が乱れないようにする生活習慣は、
「朝、目覚めたら手足を5分間こすり合わせる」
「音楽は生演奏を聴く」
「常にのどを潤すことを心がける」
などなど、日本人が昔から続けていたことばかり。
まったく難しいことはありません。

そのほかにも
「怒った直後にごはんを食べてはいけない理由」
「40〜50℃のお湯で舌洗浄する」
「うまく眠れなければ、右側を下にして寝る」
など、生活へのアドバイスが盛りだくさんとなっています。

たった1日実践しただけで
減薬に成功したという患者さんがいたり、
音楽の全国コンクールに出るくらい健康になって、
人生の目標ができたという患者さんまで、
さまざまな方がその効果の大きさについて触れてくれているのも
うれしいところ。

ぜひ本書を通して、
まずはひとつだけでも実践してほしいと思います。
負担なく健康な生活習慣を送ることができるようになる一冊です。

脳が不快①


ちなみに次の記事では、
本書の本作りに関する話を時間が許す範囲で書きたいと思っていますが、
3年の月日をかけてできた本書は、
ただ単に3年かかったわけではなく、
3年もの間、本書の「完成度」を高めるために度重なるアプローチを
積み重ねてきた結果といえます。

私が本書の原稿チェックに費やした時間だけで、
誇張でもなんでもなく数百時間は確実に超えています。
長い時間をかけていることは決して偉いことでも誇れることでもないのですが、
(むしろ捉えようによってはその逆ということも)
そのさまざまなチャレンジも含めて、
編集者や出版関係の方々にはぜひご覧いただきたい一冊となっています。

※『若手を動かせ』の販促を含めた本作りの裏側も書きたかったのですが、
タイミングと時間がなかなかなくいまだ書けておりません。ごめんなさい。