先月、編集担当した本が刊行となりました。

『4000万人の購買データからわかった! 売れない時代に売る技術』
(大原昌人、サンマーク出版)





という1冊になります。
発売1週間で重版がかかり、1万部を突破いたしました。
池袋ジュンク堂さんではビジネス週間ランキングの3位に入るなど、
ランキングに入っているお店も出てきて
本日は日経新聞で広告も出ています!



大原さんはというと、
元「楽天市場」のプロデューサーで若くしてさまざまな実績を挙げられた方でして、
プロフィールはこちらです。

大原昌人(おおはら・まさと)
元「楽天市場」プロデューサー。株式会社ダニエルズアーク代表取締役。慶應義塾大学環境情報学部卒業。牧師になろうと思うも社会経験をしたほうがいいというアドバイスを受け、倍率200倍のなか楽天株式会社に入社。新卒の営業研修では開始1カ月間、成約件数が0件と「落ちこぼれ街道」まっしぐらのなか、データ分析力を買われ、少数精鋭のクリエイティブ部門に配属。1万人以上いる社員のなかでたった100人しか閲覧を許されない楽天の心臓部「購買データ」を自由に分析する権限を得る。楽天市場全体のビジュアルを統括するWebプロデューサー・ディレクターとして、フリマアプリ「ラクマ」や、年間100億円規模の流通を生み出す「6時間タイムセール」など、数々のヒット企画に参画する。2016年4月、熊本地震発生直後で買い控えが多発する風潮のなか「ネットから熊本を支援したい」という想いで、「買って応援企画」を考案し三木谷社長に直談判。4万4000人を巻き込む一大プロジェクトを成功させ、今では当たり前になった「買って応援企画」の火つけ役として話題になる。同年「楽天市場MVP賞」を受賞。2017年からは、国内最大級の流通額を誇る「楽天スーパーSALE」の総合プロデューサーに最年少で就任。4万8000店舗の統括を行いながら、売れる広告の使い方、売れる商品、すぐ売る技術をとことん磨き、1週間で683億円という驚異の売上最高記録を生み出した。2018年、株式会社ダニエルズアークを設立し、代表に就任。「誰でも夢が見られるチャレンジの場を作る」ことを掲げ、全国各地に活躍の場を広げている。



見てわかる通り輝かしい実績を挙げてこられただけでなく、
じつは元々は「牧師」になろうと考えるも、
とある海外の牧師さんに出会い、そのときにアドバイスされたことがきっかけで、
社会人の経験を積もうと考えて楽天に入社されたという異色の経歴をお持ちです。

「人のために」

その志が根底にあるからこそ、
熊本地震の際に「買って応援企画」を思いつき、実践されました。
このあたりの内容も書籍に詳しく書かれているので、
ぜひ本書でご覧ください。

じつは最初に大原さんと出会ったのは、
とある出版スクールさんのプレゼンの場でした。
以前に私が講師を務めていたスクールさんで、
今も審査員として参加しているのですが、
その当時はまったく別の切り口の企画を提示されていました。

でも、その企画ではまったくしっくりこない。

いや、しっくりはくるのですが、
「ご本人」にとってベストな企画なのか、
「読者」にとってベストな企画なのか、
その点を突き詰めて考えると、
少なくとも私の視点からは大原さんのオリジナリティを
企画に反映しているようには見えませんでした。

私は企画を作るとき、
プロフィール・構成案・読者の「統一感」というものを
もっとも重視します。


ほとんどの編集者は「プロフィール」や「タイトル」などと仰いますが、
私は「統一感」だと思っています。
このことについてはまた別途、詳しく編集スキルの項目で書かせていただきますが、
どんなにプロフィールが面白くても読者や構成案の内容がズレていたりすると、
メッセージは届きません。

もしかしたら届くかもしれないけれど、心には刺さりません。
もしかしたら心を動かすくらいの興味は持ってもらえるかもしれないけど、
読者を「救う」までには至りません。

ちょっと横道にそれましたが、
大原さんの企画はこの統一感がズレていました。
(いま大忙しで時間が確保できないのですが、ここは改めて「本作りの裏側」で書きたい!
 ほかにも工夫をいろいろ詰め込んでます!)

そこで大原さんに改めてお時間を頂戴してお話をうかがったところ、
日々膨大なデータを分析し、独自に学ばれたことによって、
さまざまな「法則」を編み出されていて、
それが楽天市場での「過去最高益」を導いていたことがわかりました。

しかも、これは決して特別なやり方ではなく、
「売上の正体」さえ知れば、
誰でも簡単に実践可能なことだったのです。

その「売上の正体」とは、


売上=訪問数×転換率(コンバージョン)×客単価


というものです。
売上が上がらない、成績が出ない、結果を出せない、
そうして悩んでいるビジネスマンはたくさんいます。

しかし、そういう人ほど、
「売上の正体」のことを正確に把握している人はほとんどいません。

「売上の正体」を知らないことで、
間違った努力をして、頑張っているのに結果は出ない、
という苦しい悪循環に陥っていることが、
本当に多いのです。

「売上の正体」にさえ気づけば、
売上を上げるための方法は

・訪問数を上げる
・転換率を上げる
・客単価を変える

この3つしかないことがわかります。

コーヒーの値段はせいぜい100円〜1500円程度で
大きく間違えようがないように、
客単価というのはそこまで大失敗する項目ではないことを考えると、
残りの改善点はたったの2つです。

ではこの2つのうち、
どちらがより重要なのかというと、それが圧倒的に「転換率」なのです。
「転換率」とは

転換率=「商品を見たお客(訪問数)のうち何人が買ってくれたかという確率(%)」

のことを指します。
どんなにお客さんが来てくれても、
この転換率を上げる工夫をしていなければ、
決して売上は上がりません。

良質のダイヤモンドを10円で売っていたとしても、
・なぜ10円なのか
・本物のダイヤなのか
・品質はいいのか
そういった説明をちゃんと用意してお客さんに納得してもらえなければ、
「怪しさ」のほうが上回って決して売れることはないでしょう。

商品の良さを伝えて購入に至らせる度合い、
聞き馴染みがない人も多いと思いますが、
それが転換率ということなのです。

訪問数はどんなに頑張っても、
いきなり2倍、3倍に増やすことは広告費を投入しない限りほぼ不可能です。
近所のスーパーに来るお客さんの数がいきなり2倍になったら
「何が起こったの?」ってびっくりしますよね。

でも、転換率というのは通常の企業で
1〜3%程度と言われているので、
ほんのちょっとした努力で10%近くまで上がることがあります。
つまり、数倍になることはいくらでも可能です!

ですから、抜群に費用対効果が優れているのが、
この転換率の改善なのです。

本書ではその転換率を高める
超具体的な方法を惜しみなく公開しています。
アマゾンのコメントを見てもらえばわかりますが、
(おかげさまでびっくりするくらい好評です)
モノを売る人はもちろん、
商品を作る人から経営者までとにかく参考になる1冊だと思います。

これはネットの話に限らず、
リアル店舗でも、商品を作っているような企画に携わるような人でも、
まったく同じことが言えるので、ぜひご覧ください。

最後に、ネットといえばまだ
「ネットは怖い」「騙されやすい」などのイメージの悪さが付帯しています。
その現状を大原さんは変えようと奮闘されていて、
こういったノウハウを多くの方に知ってもらうことで、
ネットの世界をもっと一般の人にとって
「チャレンジングな場」「挑戦できる場」に変えていきたいと仰っています。

そのひとつが本書であり、
この本がたくさん読まれることでネットの世界がもっと健全になり、
夢を持った人たちがもっと挑戦しやすい場になることに貢献できたらいいなと思います。

売れない時代に売る技術@書影①