先日に引き続き、担当記事のご紹介です。
いまは諸事情から基本更新ができないのですが、
鮮度が命のお仕事は最低限伝えていきたいですね。

さて、いつもの「担当書籍」ではなく、
「担当記事」と書いたのはもちろん今回のお仕事が記事だから!

ということで、
前回もお世話になった「SPA!」さんで
記事を書かせていただきました。

SPA!ビヨーンズ記事①


11月26日発売になった、
「12/3・10合併号」になります。
ぜひご覧ください!

日刊SPA!でも配信されているので、
本誌を買うお金はないわ…という方はこちらで記事を読めます!


SPA!ビヨーンズ記事④
(Yahoo!ニュースでも掲載していただきました)


と、告知だけで終わってもいいのですが、
せっかくですので少し「裏側」を書きたいと思います。

さまざまな企画がある「SPA!」さんのなかで、
「今週の顔」という巻頭のカラーページがあるのですが、
(表紙から3枚ほどページをめくったらあります!)
そちらで今号、ハロー!プロジェクトさんのアイドル、
BEYOOOOONDSさんが掲載になったということで、
お声をかけていただきました。

前回書かせていただいた記事はこちらです。

SPA!本誌ではなく、ウェブ媒体の日刊SPA!さんでの記事でしたが、
当時まだデビュー前ながら結構読んでいただきました。
ウェブは反応がすぐに出るので本当にわかりやすいですね。

このときはTIF(TOKYO IDOL FESTIVAL)のライブレポでしたが、
今回はメンバーの撮影・取材を行っての記事作成です。
スタジオをおさえてもらい、カメラマンさん、スタイリストさん、編集さん、
BEYOOOOONDSのメンバーのみなさん、
マネージャーや広報の方々などチームでのお仕事です。

SPA!ビヨーンズ記事③
(カメラマンの福本邦洋さんも、スタイリストの池田めぐみさんも素敵な方でした!)

今回は簡単に雑誌記事の作成について、
出版業界でのBEYOOOOONDSファンとして応援を入れつつ、
書籍や編集との違いに触れながら書いてみたいと思います。



①雑誌はチーム戦

まず単行本の書籍と雑誌の大きな違いがこちらです。
書籍でも実用書など、撮影の入るものはあります。
しかし、雑誌はまた一味違います。

今回はBEYOOOOONDSから以下の4人の方に参加してもらいました。

・島倉りかさん(CHICA#TETSU)
・前田こころさん(雨ノ森 川海)
・山﨑夢羽さん(雨ノ森 川海)
・里吉うたのさん(オーデション加入組)


それぞれのグループからの参加です。
撮影現場では「準備」がこの上なく重要です。

カメラマンさんと編集さんのロケハンを横で見つつ、
スタイリストさんはメンバーの個性をヒアリングしつつ、
衣装をどうするかのイメージを決めていきます。

例えば
「前田さんはボーイッシュなキャラだからジャケットにしよう」
などですね。

スタイリストさんや編集さんは必ずしも撮影対象に詳しくありません。
今回でいえば、スタイリストさんが編集さんからヒアリングしたあとに、
BEYOOOOONDSというグループの特徴やメンバーのキャラを補足する、
などということをしていました。

あとは、スタジオの背景にあわせて、
何人ずつ撮影するか、ということをイメージしながら、
私たちスタッフがサンプルでカメラの前にたって、
構図を確認していきます。

そうしてメンバー入りの前に、
大まかな撮影イメージが出来上がるのです。

書籍でも撮影は行いますが、
大きく違うのは「撮影時間」です。

書籍でも「余裕」があるわけではないのですが、
少なくとも数時間は時間が確保されていることが多い。
一方、今回のような撮影では1時間もないのが通常です。

メンバーが来てから考えていては時間が足りないし、
すぐに撮影に入らないとスケジュールが押してしまいます。
もちろん、だからといって後日に撮り直しを行うなどありえません。
今回は特に週刊誌ですから、
撮影後はすぐに納品に向けた準備に取り掛からなければいけません。

メンバーがスタジオ入りして挨拶を済ますと、
スタイリストさんはすぐにメンバーに衣装の説明をして、
編集担当さんはマネージャーさんに挨拶。
全体の構図やコンセプトを伝えて確認をとります。

共通認識をもったスタッフのみなさんが動いて、
メンバーのメイク直し&着替えが終わった頃には、
撮影がスムーズに始められる状況が出来上がっているのです。

ちなみに、今回は「取材・文」として参加している私は、
このタイミングではほとんどやることはありません。
ただ、それは「直接動くことはない」という意味で、
撮影のコンセプトを共有したうえで
「メンバーがどんな表情、モチベーションで撮影をしているか」
「撮影の内容によってどんなインタビューをそのあとにするか」

などということを即座に考えて、
そのあとの限られた取材時間の組み立てをイメージします。

そうして撮影は順調に終わり、
表情やポージングもデビュー3か月とは思えないほど
違和感なく進んでいきました。

外での撮影も最後に行って、結局、その写真が採用されたのですが、
外では撮影場所の道路に入ってくる「車両」のチェックと注意喚起が
私の役割でした。笑



②最大40分のインタビューをどう回すか

その後、スタジオにあるテーブルに4人お座りいただき、
私を含めた5人でインタビューを始めました。
インタビューは撮影に比べるとやや固さがある印象です。

でも、そのなかでも個性があり、
積極的に話をしてくれ、ときどき天然な(?)島倉りかさん、
わかりやすくシンプルに答えを返してくれる前田こころさん、
決して口数は多くないけど秘めた情熱をぶつけてくれる山﨑夢羽さん、
おっとり見えて話すと止まらず、いつも楽しそうな里吉うたのさん。


それぞれ面白く、一生懸命にインタビューに答えてくれました。
取材項目は大きく分けて3つ。
・グループのこと
・アルバム「BEYOOOOOND1St」のこと
・個人のこと
ここに媒体特性を考えて質問内容に「変化球」を加えながら、
インタビューを通して深堀をしていくわけですね。

書籍と違うのはやはり「時間の制約」があること。
取材対象者が「4人」ということ。

どんなに面白そうな話をされても、
さすがに一つの話題で10分話してもらうわけにはいきません。
他のメンバーが話す時間がなくなってしまいます。
しかし、記事の「核」となりそうな話と判断したなら、
ある程度の時間を割いて聞いていく「度胸」が必要になります。

一方、うまく深堀りできない話題になったと感じたら、
1秒でも分数、秒数を節約するために思い切って別の話題に切り替えていく必要があります。
ときに気持ちよく話をしてくれている場面で、
やんわりと話を切っていかなければいけません。
その「判断力」が必要になります。

また今回のように複数の人に同時にインタビューする場合は、
誰か一人だけ「言葉が足りない」という状況になっては取り返しがつきません。
ですから、それぞれの「インタビュー特性」を把握して
「直感の言葉が生きるタイプ」「深く聞いていくとすごい面白い言葉が出てくるタイプ」
などと見極めて時間配分をリアルタイムで組み立てていきます。

ちなみに雑誌の場合は「文字数」が決まっているので、
全員の言葉を載せる必要はありません。
むしろたくさんの人の言葉を載せようとするほど、
制約が生まれるので、構成の難易度は高くなっていきます。

しかし、そこはBEYOOOOONDSを応援する一人として、
どうにかしてでも編集力を発揮して、
全員の言葉を載せたい!

なかなかキャッチーな話が出て来なければ後半、ちょっと多めに話題を振って、
全員の言葉で「構成」を組み立てられうる要素を引き出すまで
撤収時間ギリギリまで取材をします。

だから取材後はいつも、一試合サッカーをしたときよりもヘロヘロです。



③まとめ

BEYOOOOONDSの皆さんはとても礼儀正しく、一生懸命で、
スタッフみんなから愛されるグループでした。
そしてファーストアルバム「BEYOOOOOND1St(ビヨーンズファースト)」の内容も
数多くあるアイドルのアルバムのなかでも非常にクオリティの高い1枚に仕上がっていて、
これはアイドル好きなら確実に要チェックしておくべき1枚だと思います。

単純にすごいクリエイターの方々がすごい作品を作っていらっしゃいますしね。
とにかく1つの「舞台」を見ているような気持ちにさせてくれる、
ドタバタ劇を「アルバム」にしたような画期的かつ、じつに挑戦的で、
実験的、そしてなによりエンジョイイングな1枚です。

作詞作曲の多くを手がけている星部ショウ氏には万感のリスペクトを捧げる思いで、
「元年バンジージャンプ」という曲が個人的にはおすすめです。

ちなみに先ほどリンクした前回の記事では、
このように書かせていただきました。

じつは先日の7月21日に西澤一浩さんの主催する出版DAF3というイベントに参加させていただき、本を出したい人に向けて、壇上でスピーチをさせていただいたのですが、その際にも冒頭に「今年のレコ大新人賞をとるのはBEYOOOOONDS!」と全然、出版と関係のない「宣言」をさせていただきました。


はい、そうなんです!
セミナーでも勝手に宣伝していたのですが、
BEYOOOOONDSのみなさん、第61回レコード大賞新人賞を受賞されました!

おめでとうございます!!!

年末のレコード大賞では最優秀新人賞の受賞も期待されておりますが、
彼女たちの実力ならば、最優秀新人賞も間違いなく獲得するでしょう。
そんな期待するグループにデビュー前から関われているのは
メッセージを世に伝え送り出す編集者としては、とてもうれしい限りです。

ライティングを担当した今回は、
じつは取材後のほうがはるかに「闘い」が待っており、
「誰もBEYOOOOONDSのことを知らないおじさま世代にどう魅力を届けるか」
という命題のもとに、記事を組み立てていきました。

今回は長くなるので割愛しますが、
記事になっていない面白い話も多く、
その試行錯誤だけでドラマがあるので、
ちょっと落ち着いたらまた書きたいと思います。